衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第12巻より
2020年(令和2年)4月25日 ベストグループ中国・四国一日研修 ②
周りを見ると、日本から来た若者たちが「おじいちゃん、おばあちゃん」と言って、病気の方を平気で抱きしめていたのです。その日の夜、私は外で、一人で泣いていました。
その時、ある日本人のシスターが「どうして泣いているのですか」と声を掛けてきました。「僕はずっとインドへ通い続けて、少しは神を信じていると思っていましたが、触れられなかったのです。自分の信仰心のなさに、悲しくて泣いているのです」と答えると、「あなたは成長しようとされているのですね」と言われました。
それから「もう一度チャレンジしよう」と思い、毎月一週間、インドの愛する方の所へ通い続け、四カ月後に、再びマザー・テレサのところへ行きました。
今度は、体の中で穴の空いた所や便を手で洗って、綺麗にしてあげました。もう、何の恐怖もありませんでした。あれから二十七年経ちますが、何も病気はうつっていませんでした。
私は「信じる」ということをテーマに、ずっとインドに通い続けてきたのです。「どうしたら、もっと私の愛する御方を信じることができるだろうか。どうしたら、もっと私の愛する御方に人生を捧げることができるだろうか」と。
会社を経営しながら二十七年間、ベストの活動をしながら、インドへ行き続けて努力させていただきました。命という存在には、心配、不安、恐怖の心がないのです。
だから、もしも命の存在を信じることができたら、心配、不安、恐怖の心がなくなってくるのです。そしてその結果、心がとても浄(きれ)いになり、この世のことで一喜一憂しなくなるのです。
しかし、現代の世の中を見ると、世界中の多くの人々が、心配と不安と恐怖心で顔が引きつっています。さらに「お金、お金」と言って、お金の魅力、物質の魅力に取り憑(つ)かれた方が多いと思います。
人間は、見えるもの(物質)を追求すると、見えないもの(命の存在や真理)を忘れてしまうのです。しかし私は、見えるものも見えないものも、どちらも認めます。なぜなら、どちらも認めなければ生きていけないからです。
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